明治生まれの評論家・山川菊栄女史の著した、「武家の女性」。
幕末の水戸藩の下級武士の家に生まれ育った母の思い出話をもとに、
日常生活を描いた本なのだけど、
その中に、子守唄を書いている章があって、
「お山の お山の うゝさぎは
なあぜにお耳が長うござる
母さんのおなかにいるときに
椎の実 かやの実 たべまして
それでお耳が長うござる」
という歌詞が出てくるのだけど、
言い回しやオチは違うけど、
小さいときに祖父がわたくしたちに歌って聞かせてくれたあの歌と、
きっと同じなのではないかな、
と思うのです。
そう思うと、
あの歌は江戸時代から、なんともなしに伝わっている歌で、
忘れちゃいけないものなんではないかな、とも思うのです。