東京国立博物館に、「國華」創刊120周年/朝日新聞創刊130周年特別展【対決~巨匠たちの日本美術】を見てきました。
各界を代表する作家同士の関係性に着目し、日本美術史上に輝く巨匠たちを二人ずつ組み合わせ、「対決」させる形で紹介し、作家や作品の個性に新たな光りを当てる試みです。
運慶快慶
雪舟雪村
永徳等伯
長次郎光悦
宗達光琳
仁清乾山
円空木喰
大雅蕪村
若冲蕭白
応挙芦雪
歌麿写楽
鉄斎大観
この12組の豪華な対決、…すごかったッスね~
番勝負【運慶快慶】…仏像
いきなりすげぇ対決を持ってきたなァ
まぁ、でもぶっちゃけどっちの仏像がより好き、っていうのはないんだよなぁ。
だから、この対決は引き分け。
番勝負【雪舟雪村】…水墨画
会場に入ってまず目に入ったのが、運慶・快慶の仏像よりも、雪舟の「慧可断臂図」。
有名なだるま大師の絵ですよ。
想像以上にデカいのと、最初に目にした有名な絵、というので、その迫力に鳥肌が立った
雪舟の水墨画は、細い線と太い線を使いわけていて、それがモノクロの世界に色をつけているように思う。
雪村の水墨画は、なんか…こう、人間くさい。土くさい。描く人物の顔がそうなのかも知れないけど、
すごく妖怪的な恐ろしさがある。臭って来そうっていうか…
ん~…36605は雪舟に軍配を上げるな。
番勝負【永徳等伯】
出ましたッ、永徳
狩野永徳といえば、狩野派の代表的絵師であり、数ある有名作を多く世に残した人です。
36605、永徳の「唐獅子図」が大好きです。
今回展示されていた「檜図屏風」も、檜の強い生命力と、使われている碧の美しさにため息が出ました。
等伯は、永徳に比べれば地味かなぁ、と思っていたのだけど、
「四季柳図屏風」の、まるで本当に微風を感じるような柳に、涼しい氣持ちになれた。
外は34℃という暑さなのに、それを一瞬忘れるくらいの涼しさだった。
ん~…難しい、けど、やっぱりここは永徳の勝利
番勝負【長次郎光悦】…茶器(焼き物)
…正~直、36605、器には興味ないんだわ。
お母んやaneは食器とか好きみたいだけど、どうしたことか、36605、全く興味がない。
よって、この対決もよくわからないので引き分け。
番勝負【宗達光琳】
キタ、これァッ
両方好きだー
しかも、宗達と光琳、両者の「風神雷神図」を見られるなんて、そうあることじゃねぇぜッ
もー、本ッ当、本ッ当かっこいい
でもなー、光琳って派手なんだよなァー。
さすが商家生まれのボンボンなだけあって、構図も金の使い方も派手
色使いもはっきり・くっきりしてて、なんか、こう~…いい感じの“汚し”がない。
よって、この対決、…苦しいけど、宗達
そうそう、それと、宗達が描いた水墨画の「狗子図」もかわいいので、やっぱり宗達
光琳の「燕子花図屏風」とか「紅白梅図屏風」がきてたら、引き分けになったかも知れないけどなー…
国宝だしな、両方… そんなちょいちょい持ち出せないよな~。
(10月7日から「燕子花図屏風」は「大琳派展」で東京国立博物館にお目見えする予定。)
番勝負【仁清乾山】…陶器
はい、ここも興味ないですよ~。
引き分けでスルーします。
番勝負【円空木喰】…彫刻
正直、この巨匠は知らないんですよ。初めて拝見いたしました。
仏像彫師…なんですね。
円空より、木喰のほうが彫りは細かいな~、ぐらいしか。
…あぁ~…円空は棟方志功の絵を彫り起こしたみたいだな~って思った、そういえば。
小学校5年生のときに行った、宿泊訓練所の壁に、棟方志功の写真がでっかくプリントされた記憶があるのだけど、
それを思い出した。
ん~…円空のが好き、かな。あったかい感じがする。
番勝負【大雅蕪村】
蕪村の絵は、寂しい。冬の、モノクロームの世界。静かな、雪の降る夜。
大雅は緩やかで、中国の音楽が鳴っている。
蕪村の「夜色楼台図」は、すごく夜の表現がうまいなぁ~、と思った。
…巨匠に対してその感想はねぇよなぁ~(苦笑)。
ん~…ここは~…蕪村かな。
番勝負【若冲蕭白】
キたよ、キたよ。奇才二人が。
若冲はねー、仕事細かいんだけど、やっぱり派手なんだ。
色が鮮やかすぎて、ずっと見てると目が痛くなってくる。
きれいなんだけどさー、「美人は三日で飽きる」ってよぉ言うじゃないスか。
あんな感じ。
一方の蕭白も、すごく細かく書き込んでるんだ。
無駄にこう~…服に皺寄せてみたり、背景描きこみすぎッてくらい描きこんでみたり。
たーだー、蕭白はすごくねぶた絵に近い顔だったり、描き方だったりするんだよね。
それと、「唐獅子図」がデカいっつーのもあるのだけど、すっげ迫力だった。
目が離せなかった。目ェ話したら、こいつ絶対出てくるもん、
一休さんのお殿様のとこに出た、屏風の虎は絶対こいつだと思ったもな(笑)。
よって、勝者・蕭白
番勝負【応挙芦雪】
…芦雪、知らなかったんですよ。
応挙はね、幽霊画で有名じゃないスか。
でもねー、応挙ってすごく漫画っぽい絵を描くひとだなぁ、と思った。
「保津川図屏風」の水の表現とか色使い、「三美人図」の笑い方、すごく漫画っぽい。
「猛虎図屏風」の虎はね~、すごく毛並みがよくて。フワッフワ♪♪
対する芦雪の「虎図襖」。
こいつはね~、からかってるっぽい表情するんだわ。毛並みは応挙の虎のがいいんだけど、
飼うんだったら芦雪の虎だね。
芦雪の「山姥図額」も、ねぶたの送り絵…それも、よぉある、女性が生首持ってるとか、
ちょっと怖い送り絵、あんな感じでいいねぇ~。
この勝負は、芦雪かな。
番勝負【歌麿写楽】…浮世絵
歌麿は「ぽっぴんを吹く女」が好きね。
他にも、まさかのイチゴコラージュをした「松葉楼装ひ 実を通す風情」も好きだからね。
写楽は、以前バイトしていた江戸東京博物館のシンボルマークにも使われているから、馴染みがあるっちゃぁ、ある。
ん~…この対決も難しいな。
歌麿も写楽もすごく有名作家だし。
…ただ、ん~…写楽ってすごくクセがある顔をしてると思うのね。
名前は好きだけど。
よって、歌麿…かなぁ。
番勝負【鉄斎大観】
鉄斎の絵は、すごく親しみやすいというか。
え、これ、36605も描けそうじゃねみたいな、素朴な筆使い。
色の塗り方も、暖かい、というか。
本当に楽しく描いたら、思った以上の好評価♪みたいな。
「富士山屏風図」なんて、見えるはずねぇ頂上までの道とか描いちゃって、
本当に幼稚園児みたいな絵なんだよね。
「うん、よく描けた♪ちょっと、見てよ、これー」って、そんな感じ。
対する大観の「雲中富士図屏風」は、金箔の空にたなびく雲海、頂だけを拝むことができる、真っ青な霊峰を描いている。
雲が何層にも重なって、透けて見える、すごく涼しげ。
レースみたいにヒラヒラと漂う雲海。
ん~…大観の「雲中富士屏風図」がこの特別展のトリを飾ったからなのか、
すごく印象に残ってるんだよね~。
鉄斎タッチの絵は、あんまり好みでもないことから、
大観
はぁ~、もう、本当に濃い内容だったァ~。
開館の10時に間に合うように博物館には行ったのだけど、
チケットを買う時点で、20分待ちと言われたのよ。
まぁ、明日が最終日だし、多少混むかなぁ、とは思ったのだけど、10時の時点で入場規制かかるとは思わなかったもな(苦笑)。
でも、見れてよかったわ
楽しかった。
次は10月からの【大琳派展】@国立博物館か【国貞・国芳・広重とその時代-幕末歌川派の栄華-】@太田美術館だね。
【国貞~】は絶対行くけどねッだって国芳の浮世絵が出展されるから
楽しみだぁ~
【大琳派展】は、今回宗達の「風神雷神図」見ちゃったからなぁ~。
あとは光琳の「燕子花図屏風」か…
悩みどころですなぁ、奥さん。